所沢市による大気、土壌、水質の環境調査結果  
                      1998年5月20日所沢市広報発表 
1.調査対象
大気、土壌、地下水及び河川水・底泥についてのダイオキシン類の環境調査
2.調査時期
[大気]
調査地点A-1~A-5まで・・第1回採取日平成9年8月1日~2日
                  第2回採取日平成9年12月10日~11日
調査地点A-6~A-12まで・・第1回採取日平成9年11月12日~13日
                  第2回採取日平成10年1月20日~21日
[土壌]
調査地点S-1~S-6まで・・平成10年1月20日
調査地点S-7~S-13まで・・平成10年1月21日

[地下水及び河川水・底泥]
調査地点W-1~W-4まで・・平成10年1月20日
調査地点R-1~R-4まで、T-1~T-4まで・・平成10年1月27日

3.調査方法
 この調査は、厚生省及び環境庁のダイオキシン類各測定マニュアルに基づき、大気、土壌、地下水及び河川水・底泥を採取し、濃度状況を測定しました。

4.調査結果
[大気中のダイオキシン類濃度調査]        単位:pg-TEQ/m3
調査地点
第1回
第2回
年平均
大気環境指針値との比較
A-1 柳瀬公民館
0.87
1.1
0.99

A-2 三ヶ島公民館
1.0
0.42
0.71

A-3 北秋津小学校
0.91
0.51
0.71

A-4 富岡公民館
0.86
0.57
0.72

A-5 航空公園測定局
0.84
0.42
0.63

A-6 中新井小学校
1.0
0.48
0.74

A-7 林神社
0.94
0.41
0.68

A-8 北小学校
1.0
--
--
--
A-8’富岡保育園
--
0.54
--
--
A-9 老人憩いの家やなせ荘
2.0
0.73
1.4

A-10 こばと児童館
1.1
0.35
0.73

A-11 山口中学校
0.93
0.22
0.58

A-12 神明神社(入間市内)
0.98
0.34
0.66

全平均
1.0
0.51
0.78
--

       *数値は摂氏20度、1気圧で補正しています

[平成8年度環境庁大気中ダイオキシン類調査結果]
比較参考地域
毒性換算濃度範囲
毒性換算濃度平均
工業地帯近傍の住宅地域
0.08~2.84
1.00
大都市地域
0.04~2.69
1.02
中小都市地域
0.00~3.21
0.82
バックグラウンド地域
0.00~0.14
0.07


「市のコメント]
平成8年度の環境庁が実施した大気中ダイオキシン類調査結果と比較した場合、すべての地点で第1回目及び第2回目共に中小都市地域での濃度範囲でした。また、大気環境指針値0.8pg-TEQ/m3((年平均値)と比較した場合、柳瀬公民館及び老人憩いの家やなせ荘の2地点で指針値を上回りましたが、その他の地点では指針値を下回っていました。



[土壌中のダイオキシン類濃度調査] 単位:pg-TEQ/g

調査地点
毒性等量
B-1
林神社
20
B-2
老人憩いの家やなせ荘
25
B-3
安松小学校
23
B-4
三ヶ島小学校
47
B-5
柳瀬中学校
48
B-6
神明神社(入間市内)
30
B-7
富士見公園
23
B-8
富岡保育園
14
B-9
山口中学校
21
B-10
富岡公民館
36
B-11
航空公園測定局
48
B-12
北秋津小学校
22
B-13
こばと児童館
欠測

全平均
30

[市のコメント]
土壌試料の毒性等量は14~48pg-TEQ/gの範囲でした。

[地下水中のダイオキシン類濃度調査]     単位:pg-TEQ/l
調査地点
毒性等量
W-1 林地区

W-2 南永井地区

W-3 下安松地区

W-4 北岩岡地区

全平均


[市のコメント]
地下水試料はすべての地点でダイオキシン類が検出されませんでした。

[河川水・底泥中のダイオキシン類濃度調査]
調査地点
河川水における毒性等量
底泥における毒性等量
R-1,T-1 金井沢橋(不老川)

85
R-2、T-2 弘法橋(東川)

23
R-3、T-3 本村橋(柳瀬川)
0.005
3.7
R-4、T-4 清柳橋(柳瀬川)

0.48
全平均
---
28

[市のコメント]
河川水試料は、本村橋(柳瀬川)で毒性等量が0.005と微量検出されました。底泥試料は、表の通りでした。

[ダイオキシン類摂取量の推定]   健康リスク評価指針値:5pg-TEQ/kg/日
調査地点







食物
大気

土壌
合計
健康リスク評価指針値
最大値
0.26~3.26
0.42(0.60)
0.001
0.20
0.88~3.88(1.06~4.06)

最小値
0.26~3.26
0.17
0.001
0.059
0.49~3.49

平均値
0.26~3.26
0.23
0.001
0.13
0.62~3.62


()内は全測定結果の最大値を用いた評価
[市のコメント]
環境指導課での平成9年度中の調査結果に基づき、環境庁「ダイオキシンリスク評価検討会(平成9年5月)」と同様の手法により、しないの摂取量を推定すると表のとおりです。
環境庁が定めた健康リスク評価指針値5pg-TEQ/kg/日(人の健康を維持するための許容限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい水準として定められたもの)を下回っている状況です。


所沢市による母乳調査について(中間報告)
1.調査対象者
A群・・・第一子の出産直後から28日以内(新生児期)経過した産婦とし、出産時点で調査対象地域に5年以上居住している20歳以上の方
B群・・・第一子の出産から30日以上60日未満(1ヶ月~2ヶ月内)経過した産婦とし、出産時点で調査対象地域に5年以上居住している20      歳以上の方
C群・・・第一子の出産後90日以上120日未満(3ヶ月~4ヶ月)経過した産婦とし、出産時点で調査対象地域に5年以上居住している20歳      以上の方
D群・・・第一子の出産後150日以上180日未満(5ヶ月~6ヶ月)経過した産婦とし、出産時点で調査対象地域に5年以上居住している20歳     以上の方
*ただし、前記の条件により十分な数の対象を確保できない場合は、居住条件を3年以上に緩和しました。
 検体数は100検体(入間市分8検体を含む)
2.調査時期
  平成9年11月から平成10年2月まで
3.調査内容
  母乳50cc~100ccの採取と健康調査票による食習慣などの調査を実施しました。
[母乳中のダイオキシン類濃度調査]

居住地域
検体数
出産後の経過日数
母親の年齢
居住年数
脂肪含量(%)
毒性等量
pg-TEQ/g
     (脂肪)
A
東部

3~14(6)
21~33(25.8)
4~27(18.0)
0.9~7.6(3.6)
11~26(16.2)
A
西部

5~28(12)
24~33(28.6)
4~31(18.4)
2.7~10.2(5.5)
4.3~20(14.7)
A
南部

4~24(11)
26~35(30.3)
3~25(8.3)
1.9~4.4(3.1)
6.5~24(14.7)
A
北部

3~27(12)
24~32(26.9)
3~25(16.1)
1.5~6.2(3.7)
4.9~20(12.4)
A

A群全体
26
3~28(11)
21~35(28.1)
3~31(14.5)
0.9~10.2(3.8)
4.3~26(14.3)
B
東部

31~54(41)
21~36(29.4)
3~36(17.0)
1.7~5.1(3.1)
9.9~20(14.6)
B
西部

43~74(52)
23~29(25.2)
3~24(10.7)
2.6~3.7(3.2)
6.2~18(14.0)
B
南部

43~66(56)
27~36(30.6)
3~29(14.8)
2.1~6.4(4.3)
13~29(18.9)
B
北部

30~64(45)
29~32(30.6)
5~32(20.0)
2.0~5.1(3.6)
9.2~21(14.6)
B

B群全体
24
30~74(49)
21~36(29.2)
3~36(15.3)
1.7~6.4(3.6)
6.2~29(15.9)
C
東部

102~116(107)
24~31(29.0)
3~16(6.8)
0.8~6.8(3.1)
13~21(16.8)
C
西部

65~144(105)
24~34(28.8)
3~17(10.0
1.3~4.6(3.1)
10~19(14.8)
C
南部
10
103~118(104)
24~39(29.2)
3~29(19.1)
1.1~5.0(3.2)
9.5~29(16.5)
C
北部

91~119(105)
22~31(25.3)
4~24(16.6)
0.8~8.9(3.3)
5.5~30(13.8)
C

C群全体
26
65~144(105)
22~39(28.0)
3~29(14.8)
0.8~8.9(3.2)
5.5~30(15.5)
D
東部

154~172(161)
25~34(29.8)
4~29(15.0)
1.2~4.1(2.6)
9.3~16(13.7)
D
西部

153~167(160)
27~30(28.0)
4~28(16.0)
1.6~5.4(3.1)
7.7~14(11.2)
D
南部
10
122~195(156)
24~33(27.8)
8~33(23.9)
0.9~5.6(2.9)
4.9~19(14.0)
D
北部

154~201(166)
26~31(28.2)
8~30(18.0)
1.9~3.8(3.2)
9.3~19(14.3)
D

D群全体
24
122~201(160)
24~34(28.3)
8~33(19.5)
0.9~5.6(2.9)
4.9~19(13.5)
A~
D群全体
100
3~201(80)
21~39(28.4)
3~36(16.0)
0.8~10.2(3.4)
4.3~30(14.8)



[母乳中のダイオキシン類濃度調査(居住年数別)]  最小~最大

東地区
検体数
東地区
平均値
西地区
検体数
西地区
平均値
南地区
検体数
南地区
平均値
北地区
検体数
北地区
平均値
調査全体
検体数
調査全
平均値
3年以上5年未満
5
13.8
9.3~21
6
14.7
10~20
6
15.8
11~24
3
19.3
13~30
20
15.5
9.3~30
5年以上15年未満
6
14.7
12~17
4
14.7
7.7~19
9
16.5
6.5~29
7
14.7
8.6~19
26
15.3
6.5~29
15年以上25年未満
2
14.5
13~16
6
10.4
4.3~17
3
11.3
4.9~15
10
12.4
5.5~20
21
11.9
4.3~20
25年以上
6
17.2
11~26
4
16.8
14~19
18
16.4
9.5~22
5
11.3
9.2~21
33
15.8
9.2~26
平均値(最小~最大)
19
15.2
9.3~26
20
13.8
4.3~20
36
15.9
4.9~29
25
13.6
4.9~30
100
14.8
4.3~30


[市のコメント]
濃度範囲は4.3pg-TEQ/g(脂肪)、平均濃度は14.8pg-TEQ/g(脂肪)でした。それぞれの内容については、表の通りです



毛髪及び血液調査について(中間報告)
1.調査対象者
市内に5年以上居住し、おおむね日中週5日以上市内で過ごしている方
東・・・柳瀬地区、松井地区、東部清掃事業所周辺
西・・・三ヶ島地区、西部清掃事業所周辺、入間市
南・・・山口地区、吾妻地区、旧町地区、小手指地区、北野一般廃棄物最終処分場周辺
北・・・富岡地区、新所沢地区、新所沢東地区、並木地区、くぬぎ山周辺
検体数は毛髪126検体(入間市分8検体を含む)、血液35検体
毛髪は平成9年11月から平成10年3月まで
血液は平成10年1月中
3.調査内容
毛髪10gまたは血液100mlの採取と健康調査票による食習慣などの調査を実施しました。
「毛髪中のダイオキシン類濃度調査]


検体数
範囲
平均値


102
0.35~8
2.48


24
0.018~3.8
1.33

~19歳
15
0.33~2.9
1.6

20~29歳
13
0.018~3.9
1.7

30~39歳
42
0.36~8
2.58

40~49歳
32
0.35~6.2
2.69

50~歳
24
0.026~4.7
1.87

5~9年
29
0.33~5.5
2.33

10~14年
27
0.48~8
2.63

15~19年
13
1~4.7
2.25

20~24年
16
1.1~5.2
2.28

25~29年
15
0.26~5.2
2.07

30~34年
9
0.018~5.5
1.96

35~年
17
0.026~5.9
1.91


37
0.018~8
2.6

西
21
0.026~4.7
1.55


34
0.35~4.4
1.96


34
0.26~6.2
2.64
全体

126
0.018~8
2.26

単位:pg-TEQ/g

[血液中のダイオキシン類濃度調査]


検体数
範囲
平均値


26
0.13~29
9.29


9
0.6~9.8
5.1
年齢
~29

4
0.13~29
9.18
年齢
30~39

4
2.4~9.4
6.15
年齢
40~49

17
0.3~24
8.06
年齢
50~

10
0.97~19
8.92

5~9
3
11~29
20

10~14
6
0.79~14
6.4

15~19
7
0.3~6.9
3.92

20~24
8
0.13~24
7.83

25~29
6
4.2~19
9.8

30~
5
0.6~14
8.04



10
0.13~29
12.9

西+南

3
9.8~13
11.6
地域


22
0.3~14
5.63
全体

35
0.13~29
8.21

[市のコメント]
毛髪について測定した結果、濃度範囲は0.018~8pg-TEQ/g、平均濃度は2.26pg-TEQ/gでした。なお、性別、年齢べつ、居住年数別、居住地域別の内訳は、表3のとおりです。
血液について測定した結果、濃度範囲は0.13~29pg-TEQ/g(脂肪)、平均濃度は8.21pg-TEQ/g(脂肪)でした。性別、年齢別、居住年数別、居住地域別の内訳は、表4のとおりです。なお、血液の居住地域別については、けん怠数が少ないため西と南の合計にしました。
 今後、母乳、毛髪、血液及びごみ焼却施設職員のもう初調査結果を踏まえ、医師などで構成した「ダイオキシンに係る人体への蓄積調査に関する専門委員会」専門部会で、健康調査票による調査を含めて総合的に解析し、最終的な報告を行う予定です。


ごみ焼却施設職員の健康への影響調査について(中間報告)
1.調査対象
東部清掃事業所及び西部清掃事業所職員。検体数は29検体
2.調査時期
平成9年11月から平成10年3月まで
3.調査内容
毛髪10gの採取と健康調査票による食習慣などの調査を実施しました。    単位:pg-TEQ/g


東部清掃事業所(14)

西部清掃事業所(15)

全体(29)



最小値~最大値
平均値
最小値~最大値
平均値
最小値~最大値
平均値


0.27~5.3
1.53
0.023~3.0
1.19
0.023~5.3
1.35
経験年数別
15年未満
0.42~5.3
2.11
0.023~3.0
1.31
0.0123~5.3
1.52

15年以上
0.27~3.9
1.30
0.36~2.0
0.88
0.27~3.9
1.18
年齢別
40歳未満
0.42~5.3
2.21
0.43~2.2
1.42
0.42~5.3
1.76

40歳以上
0.27~3.0
1.02
0.023~3.0
0.94
0.023~3.0
0.98

[市のコメント]
濃度範囲は0.023~5.3pg-TEQ/gでした。
今後、母乳調査などと同様に、上記の専門部会で健康調査票による調査を含めて総合的に解析し、最終的な報告を行う予定です。


トップページへ戻る