●ニュースステーション
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5/12(火)放映のニュースステーション(テレビ朝日系)で所沢のダイオキシンが特集されました。
下記にその放映の要点をまとめます。
1.所沢市の北部「くぬぎ山一帯」に半径500bの中に16の産業廃棄物焼却炉がある。
2.その南2Kmの人口およそ30,000人の並木・中新井地区にまでその焼却炉による汚染が広がっている。
3.この地区から逃げ出す住人が多く、健康被害も顕著である。
4.「所沢ニュース」の編集長「矢部敏道氏」によると、子どもの健康被害が顕著とのこと。その内容は、
所沢の教育委員会がまとめた小中学生の定期検診では、アトピー、喘息が県平均の8倍の年もあった。
5.市民団体によると、所沢での生活に不安を感じてる人が、98%あった。また65%もの人が健康被害を訴えている。
6.ダイオキシン汚染のため、20代〜30代の若い女性でもこどもを生むのを諦めた人がいる。
7.くぬぎ山周辺の取材では、産廃処理場の煙突からの煙が住宅や農家の畑のあちらこちらに漂い、野焼きも
行われている。また農作物の汚染も心配されている。
8.周辺住民はインタビューで、「一年中燃やされている」「周り中焼却炉だらけ」「役所は何をしているのだ」と怒る。
9.矢部氏によると、この汚染の状態が今後深刻になるとの状況を、所沢市役所は5年前(平成4年)から把握して
いた。
10.平成4年度所沢市大気環境動向予測調査報告によると「焼却処理施設の最大着地濃度が生じる地域に、
住民が居住することは長期的だけではなく、短期的でも健康影響の観点から望ましくないと考えられる。」
との信じられない報告があがっていた。また市内の一部には、居住するには適さないほどの汚染がすでに5年
前よりあったとのこと(環境総合研究所の青山貞一所長)。
11. しかしくぬぎ山周辺住民によると、汚染は5年前に較べてさらに悪化しているとのこと。
12. 産廃処理場の許可を出している埼玉県の「西部環境管理事務所」でのインタビューでは、所沢市からは、
くぬぎ山周辺に処理場を設置させないで欲しいとの要望は埼玉県側へは全く出されていない。つまり所沢市
は5年前には汚染の実態を知りながら、その後も今まで対策を全く講じず野放し状態にしている。
13.環境総合研究所の青山貞一所長によると、平成4年の調査以来、所沢市は環境総合研究所に対して、
いちども内容などについての問い合わせがなかったとのこと。しかし所沢市はこの調査に765万円もの税金を
つぎ込んでいたのである。
14. 今年2月の摂南大学の宮田教授の発表によると、クニギ山の土壌ダイオキシン汚染が200〜280ピコg/gとの
衝撃的な結果であった。この数字は、全国的にも汚染がひどい大阪のさらに10倍〜15倍のダイオキシン濃度
である。くぬぎ山から中新井地域は子どもたちには危険な汚染レベルであるとのこと。しかし土壌が185ピコg
で汚染されている中新井では、普通に子どもたちが土にまみれて遊んでいる。ドイツでは100ピコg以上の濃
度の場合、運動場の浄化の基準 。公園で遊ぶ頻度を少なくするべき。
15. 宮田教授によると、所沢の大気汚染は、北海道の80倍から100倍まで進んでいる非常に深刻の状態である。
久米宏氏の意見としては、所沢役所はちょっと異常で所沢住民は大変不幸であるという。理由は、環境
総合研究所が自治体の環境調査を200件以上今まで行ったうち、所沢市のように全く調査結果について
相談がなかった自治体は他にはないとのこと。 ここまで汚れてしまった所沢に対する対策としては、小さい
焼却炉に対する規制と、土壌汚染の対処が必要。 所沢を含めて日本は世界的に一番ダイオキシンに汚染
されている国で、他国の数倍から十数倍ある。特に胎児や乳児に対する影響が今後懸念される(宮田教授)。