7.解決に向けて
 私たち市民がこのダイオキシン問題に立ち向かうための心構えについては冒頭に述べました。一方、ダイオキシンの削減に向けて具体的にやらなけれぱならないことはたくさんあります。若者が環境ホルモンに被爆することは、一刻も早く防がねばなりません。とはいえ、予算も時間も有限です。従って問題点を整理し、緊急度の高い対策から実行する必要があります。またダイオキシンの排出源によって、当然ながら対策は異なります。
 そこで、はじめにダイオキシンの発生源を、(1)家庭用簡易焼却炉、(2)産業廃棄物焼却炉、(3)一般廃棄物焼却炉の3種にわけ、それぞれの抱える問題点とその対策、および対策を進めるにあたっての注意すべき点を表1に示します。
 それぞれのダイオキシン発生源に対する対策を、優先度の高い順にまとめると次のようになります。
一刻も早く大気中のダイオキシン濃度を下げることを最優先すべき、との観点からまとめましたが、それぞれの地域で最大の発生源に即した優先度を考える必要があります。言い換えれば、削減対策についての戦略が必要だということです。そしてその戦略を練るためには、専門家ばかりでなく市民、とりわけボランティアでダイオキシン問題に日夜取り組んでいる市民団体の参加を求めるべきです。
ダイオキシンの発生源別の優先対策を次にまとめます。(優先度1>2)

(1)家庭用簡易焼却炉
1.焼却禁止の指導とパトロール…最優先
1.炉と焼却灰の回収・…最優先
1.健康調査と汚染調査(土壌、農作物等)
2.炉の牛産販売の自粛指導

(2)産業廃棄物焼却炉
1.大気環境濃度目標値0.8ピコc/立方メートルを越える地域での、焼却量の一律削減指導と焼却炉の更新、
新設の不許可…最優先
l.既設炉の排出規制の上乗せと実施時期の前倒し、および上乗せ削減対策実施までの焼却停止
指導…最優先
ダイオキシン排出の総量規制…最優先
産廃の流入規制の早急な実施…最優先
産廃焼却施設周辺の土壌、大気、農作物のダイオキシン調査と健康調査
焼却炉の立地規制
焼却灰の処理実態調査と対策
施設従業員の健康調査

(3)一般廃棄物焼却炉
1.塩ビ類の徹底分別・・・最優先
1.ゴミの減量化の徹底・・・最優先
1.排ガス規制値の上乗せと実施期間の前倒し・・・最優先
1.ダイオキシン排出の総量規制・・・最優先
1.周辺環境調査(土壌、大気等)
1.RDF加工時の添加剤漏出調査
2.自区内処理への転換

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