2.所沢周辺における土壌のダイオキシン汚染
(1)調査目的
摂南大学の宮田秀明教授による95年の第1回調査は、くぬぎ山地域の汚染状況をつかむ目的で実施され、その結果、初めて当地域のダイオキシン汚染が明らかになりました。と同時に、約4km南の航空公園内の2カ所でも100ピコ近い汚染が確認されました。
この結果を考慮し、今回の第2回調査は、くぬぎ山を中心として、その周辺部までのダイオキシン汚染の影響範囲を解明することに主眼をおきました。
(2)調査方法
調査対象地域として、くぬぎ山から東西北約4km、南は約7kmまでの範囲と、航空公園〜東所沢の範囲を選ぴました(図2)。
土壌採取は、官田先生の指導を受けた当実行委員会が担当し、原則として、人為的な影響の少ない平地林の林床(深さ1センチ前後)を、約500m間隔でサンプリングしました。土壌採取は96年7月に実施しました。
今回の公表データは、南北測線の結果です。本年6月には全データが公表されることになっています。
(3)調査結果
測定結果を図3に、また、くぬぎ山からの距離とダイオキシン濃度との関係を図4に示します。
宮田先生はこの調査結果から次の点を指摘しています。
以上の結果から、くぬぎ山を発生源とするダイオキシン汚染が、所沢の中心部まで広域的に拡大していることが明らかになりました。
(4)汚染の影響評価
宮田先生によれば、食物経由以外の子どもたちのダイオキシン被爆の大部分は、土壌の吸い込みによります。先生の計算によれぱ、2〜6歳の児童が、200pgTEQ/gの土壌を1c吸い込んだだけで、ほぼ1日当たりの耐用摂取量l0ピコcになります。実際には食物や大気などからの取り込みが加算されるので、10ピコを越えてしまうでしょう。この汚染レベルはくぬぎ山から半径約2kmに該当します。このような汚染地域のグランドなどで遊ぶことが大変に危険だということを保護者は理解する必要があります。
本日の会場であるこの航空公園は、約100ピコcの汚染地域であることも今までの調査で明らかになっています。ドイツの基準では子ども達の土壌接触を防ぐ対策を行わねぱなりません。私たちの再三の申し入れにもかかわらず、埼王県は児童の立ち入り規制などの対策をとろうとはしません。日本では、親が積極的に我が子を守ろうとしない限り、子ども達の健康は守れないのです。
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